ゾンビ映画、悪魔の墓場を観ました。
仕入先へ骨董品をもって行く途中、バイクをぶつけられて足止めされた主人公ジョージ。事故らせた女性エドナの車で目的地へ向かおうとするが、エドナの目的地を優先させられて、エドナの姉の下へ行くことに。途中、道に迷いジョージが目的地を聞きにいっている間にエドナが死霊に襲われる。しかし、ジョージは信用せず一行は姉の下に向かう。ジョージたちがエドナの姉の下にたどり着く直前、姉の夫は死霊に惨殺された後だった。
ストーリーは何かの弾みで死霊が蘇り生者を食らっていくゾンビ物の王道。
本作では害虫の放射能駆除機がそれにあたる。
放射能を浴びせると原始的な生き物が凶暴になって仲間同士で殺し合いを始めることを利用した駆除装置らしい。
ジョージは人間が死んでも神経が生きていてそれに反応して動き始めるのではと推測している。死霊が次々と死体を蘇らせていくのは生者の生き血によって蘇ったといっているが・・・かなーり無理ありすぎ。それなら、死者の中に巣食う原始生物が反応して本体を動かしているとかにしたほうが、まだマシな気がする。これだと、他の死者を蘇らせられるのは、その原始生物が移動したからとかって説明できるのに。
もっとも、所詮ゾンビ物でゾンビが動き始める動機なんかどうでもいいかもしれないけど。
写真に映らないっていう設定も別にいらないんじゃないかな。
ジョージたちへ警察の目を向けさせるには十分な状況だし。どうせ、死霊が映ってても、頭の固い警官という設定をしてるんだからもみ消すに決まってる。
主人公たちもかなり不可解な動きを見せてて、腹立たしい。
主要な登場人物すべてが説明ベタでおかしげな方向に進むのは、ストーリーを無理やりラインに乗せる為のご都合主義に見えてくる。
死霊が襲ってきてはしごを上って逃げたら普通即座にはしごは叩き落すでしょうよ。
それに引き換え、死霊の動きを見るとかなり頭がいいように映る。
結局よくある、真相は闇の中で死霊が静かに増殖していくような引っ張り方をして幕を閉じる。
ありがちな終わりかただ。
ただ、作品全体に流れるクラシックな雰囲気は不気味な静かさにあふれ、死霊が出す奇声はとにかく気味悪い。ジョーズが現れるときにながれる有名なテーマのように、死霊が近くにいるとこの奇声が聞こえてくる。この辺の間の取り方と死霊の見せ方が絶妙。
きっとキリスト教の信者とかだと、悪魔教に携わるものは結局は悪魔に取り付かれるとかって感じたり、それなりに恐怖に付加価値が付いてもっと楽しめるんだろうなぁ。残念ながら無宗教なもので、その辺はよく分かりません。
ゾンビ物は、いかにゾンビを見せる前に恐怖を感じさせるかが重要だよなあ、としみじみ思う。
あと、スプラッタ無理な方はちょいと問題かもしれません。(その手のシーン自体は少ないですが)