『私はあの空を忘れない。遙かなる蒼空に広がる虚空世界の出来事を…』
心に残るゲームは数あれど「虚空漂流ニルゲンツ」は私が人に伝えたいゲームベスト5には入ります。
惜しむらくはこの作品がPC-FX専用ソフトなこと。あれだけ片っ端からプレステやサターンに移植されまくったFXのゲームですが、なぜかこの作品は完全スルーで移植されず。誰かにやってほしくてもハードがマイナーすぎる。
移植されていたほうが作品寿命は伸びていたかも
昔はブルーブレイカーが移植されてはイラっときて、纏組が移植されてはイラっときてたものですが、今になってみると他ハードに移植されてたほうが、後々プレイする身としてはよかったのかなぁと思う今日このごろ。FXのハードがぶっ壊れても他ハードに移植されてれば延命できたかもしれないですからね。
一応、移植されるにはされてますがPowerVRっていうパソコン用(PC3Dエンジン)なのでFXよりレア度は高い上に今の基板で果たして動くのやら。無理だろうなぁ。
開発元のマイクロキャビンは以前は自社のホームページBBSでニルゲンツ2の構想なんか話してたのに、今やパチ屋の傘下になっちゃいましたし……。悲しい世の中です。
虚空漂流ニルゲンツのストーリー
ニルゲンツの簡単なあらすじでも書こうとしたんですが…ネタバレ無しで書くのは難しいですね。
虚空世界アスガルド。エーテルの海が漂い、浮遊した島々が存在する世界。
主人公は軍上がりのパイロットで名前はデュン=ビット。ある時、彼が乗っていた機体の燃料が切れ、エーテルの海を漂流していたところ、ヴィントミューレという商隊船に拾われます。
この世界には空賊がいて危険なため、そのまま商船のお抱え用心棒なパイロットになって空賊と戦うことになります。が、なぜかたかが商隊であるヴィントミューレが、空賊どころか空軍にまで狙われるようになります。何が目的で空軍が動いているのか、デュンビットの過去とヴィントミューレのスタッフの過去を巻き込んで、物語が展開されていきます。
プレイできる環境の人には、まぁやってみて下さい。絶対損しませんよ。
出来なくても、多分、プレイ動画が転がってることでしょうけどね。
あ、あった。
プレイ動画があるわりに、昨今の名作レトロゲーム発掘の流れの中で、本作が取り上げられる機会を見たことがないのが本当に本当に不思議。PC-FXだと硬派すぎるゲームだからメインターゲットからずれちゃって、もしかしてFXユーザでもプレイヤーは極少数なのかも。
ただ、昔ファミ通だかファミマガWeeklyだかで売上本数が5,000本っていうのを見た気がするので、最低でも5,000人はプレイしてるんじゃないかと思うんですけどねぇ…。PCエンジンFanの増刊号にも体験版がついていたし、プレイ人数は決して少ないとは思えないんだけどなぁ。
スペシャルイベント攻略
このゲームのジャンルはエアバトルRPGとなってます。アドベンチャーパートとフライトシューティングのパートに別れてます。
FXといえばギャルゲー、ギャルゲーといえばフラグ立てて女の子攻略、みたいなところがありますよね。でもこのゲームは個別ルート攻略とか、そんなのありません。女の子とイチャラブとか、皆無です。
ただ、アドベンチャーパートでフラグを立てることで特殊シーン(スペシャルイベント)が発生します。これは男女関係なく存在していて商船のクルー全員にあります。
その昔大技林っていうやたら分厚い裏技集の本があったんですが、そこにはこのスペシャルイベント条件が記載されていました。ですが、大技林のままやると情報が不正確なため、イベントが上手く発生しません。
スペシャルイベントのフラグは一度でも見逃すとそこから先は発生しなくなります。時間の範囲は+1時間くらいまでならOKのものもありますが、なるべくぴったり行きましょう。また1度のプレイで全員のイベントが見れますので、時系列に記載します。
章 | 時間 | 発生場所/条件 | 対象キャラ |
2章 | 5/11 19:00 | サブブリッジ | ライン① |
2章 | 5/14 15:00 | 格納庫 | ピエラ① |
3章 | 5/17 0:00 | [ライン①]を見ていれば自動発生 | ライン② |
5章 | 5/22 9:00 | 格納庫 | ピエラ② |
5章 | 5/24 0:00 | 機外 | ワッツ① |
6章 | 5/26 16:45 | 話す→アイル、話す→ピエラ(2回) | アイル① |
6章 | 5/29 9:00 | 母艦 | ライン③ |
9章 | 6/7 6:00 | 格納庫 | 教授① |
9章 | 6/7 ~14:15 | 医務室 | 教授② |
9章 | 6/7 14:30 | [教授②]を見ていれば自動発生 | 教授③ |
10章 | 6/10 1:30 | 機外 | アイス① |
10章 | 6/11 19:00 | サブブリッジ | ライン④ |
10章 | 6/14 13:00 | 格納庫 | ピエラ③ |
ドッグファイト攻略
ファイターモードとダイバーモード
このゲームの醍醐味はシナリオもさることながら、ドッグファイトの楽しさがあります。
機体は戦闘機型の『ファイターモード』と、変形後の人型タイプの『ダイバーモード』の2つの機体モードがあり、切り替えながら戦います。(後述しますが後半にもう一つのモードが加わります)
各機体モードごとに技の概念があって、技ポイントを使うことで敵機との位置を優位にして倒していくわけです。
慣れないうちはこのドッグファイトがイライラすることでしょうが、なれて自在に技が出せるようになると楽しくて仕方なくなります。
「敵が来た―、よっしゃー!」ってなります。
今からニルゲンツをプレイしようとする人なんてほぼいないんでしょうが、ついでにドッグファイトのポイントを書いておきます。
ドッグファイトの基本戦法
ドッグファイトの基本は「敵の真後ろを取る」または「敵の横っ腹を叩く」ことです。まずはファイターモード、ダイバーモードの共通技である「右サイド」「左サイド」「上昇反転」「接近追尾」を覚えることです。
右サイド
敵が自機の右から左に横切ってくるようならこの右サイドを仕掛けます。すると敵の左後ろにつけることが出来ます。真後ろにつけるまで右サイドを実行、真後ろに着いたら接近追尾。あとはショットで倒せます。
左サイド
右サイドと真逆の技です。敵機が左から右に横切ってくるようなら使います。
上昇反転
敵が真正面から向かってきた場合、自機が重なるタイミングで実行します。
ヘタすると自機が敵の前に来て撃たれる可能性がありますので、事前に速力のないダイバーモードにしておくと安全です。(がもっとうまい方法がありますので後述)
接近追尾
敵の後ろにつけたら迷わず接近追尾を連発。敵の技ポイントを削り切ったらひたすら弾を打ち込みます。
ドッグファイトの応用戦法
最初のうちは基本戦法だけで十分戦えます。が、中盤からは厳しいでしょう。以下の応用戦法を使うと、開始して速攻で敵を倒したりできるようになります。
右サイドや接近追尾などの技は技ポイントを消費して使います。そしてここが重要な点です。自分はもちろん、敵機にも技ポイントゲージが存在します。技ポイントのゲージは一定時間ごとに回復していきますが、一旦技ポイントゲージがゼロになると一定時間技ポイントは回復せず、その間、行動不能になります。
つまり敵の技ポイントを削ってゼロにすることを狙う戦法です。ゼロにすれば、あとは好きに撃ちまくって撃墜するだけです。
敵機が左または右から横切るような場合
敵機が右から左に横切った時は、相手の右に回り込むように技を使います。
「右サイド」→「右サイド」→「右サイド」と、敵機の後ろに来るまで連続で技を使います。敵機の後ろに来たら相手の技ゲージが尽きるまで「接近追尾」を仕掛けます。行動不能になった段階で、相手に弾を叩き込みます。
逆に敵機が左から右に横切っていく時は、「左サイド」→「左サイド」→「左サイド」・・・「接近追尾」という流れです。これが敵が横切った時です。
敵機が正面から来た場合
敵機が真正面から迫ってきた場合は、ダイバーモードに切り替えておきます。
そして
「ゲットオン」→「上昇反転」→「接近追尾」
と技を使います。これで敵の真後ろをとれ、かつ行動不能にできます。
ゲットオンは正面の敵の真下に滑り込む技です。その後、上昇反転することで敵の真後ろに付けます。あとは接近追尾で攻撃、という流れです。
万が一、後ろを取られたら…
後ろを取られたら、母艦が近ければ帰還します。
母艦が遠い場合「減速回避」が可能ならば「減速回避」を連発して速度を落とします。敵が真後ろにいたのなら、速度を落とすことで敵が前に出てきます。つまり後ろを取るような状態にできます。あとは接近追尾で真後ろに来るように調整、攻撃を仕掛けます。
技ポイントがなく母艦からも遠い状態で、敵機に後ろを取られた場合
まだ逃げるすべはあります。
技ポイントがなくても、敵機の速度が自機より速いならばダイバーモードに変形します。ダイバーモードは速度が非常に遅いため減速効果が高いです。結果的に減速回避したのと同じになります。
また逆に速度をあげるのに技ポイントは使わないので、速度を上げて振り切ります。
これだけ知ってればドッグファイトで困ることはないでしょう。
終盤に登場するルシファードライブモード
後半にはちょっと反則技な機体モード「ルシファードライブ(RD)」が登場します。ただ、これがユーザーの間ではあまり良く思われてない、というか使いづらくて弱くなるとまで言われてるんですよね。
でもそれは慣れるほど、RDの戦闘回数が多くないからということと、RDの初戦が敵として不向きな烈光だからだと思います。
私、何回このゲームやってるかもう数えれないですが、それだけやってるとRDめちゃめちゃ強くね?と思ってしまいます。ラスボス相手ならRDは苦痛じゃない、どころがあっという間に倒せて拍子抜けするレベルです。
むしろ、このゲームの敵で一番強いのはラスボスっじゃないと思います。漂流中に襲ってくる魚、ヨツメオニカジキですよ。
ドックファイト~ヨツメオニカジキ編~
第7章で登場するヨツメオニカジキはゲーム中一番の難敵、のはず。
まず第7章はヴィントミューレがいないので母艦に戻ることができません。つまり弾薬や燃料の補給はできない状態です。その状態で、このヨツメオニカジキと戦うことになります。
ヨツメオニカジキは最初に6体湧いてきます。そいつらを蹴散らすと会話シーンを挟んでさらに6体登場。セーブは不可です。
1回攻撃を受けると30Pのダメージを喰らいます。グリューグルムのHPは210Pですから7回攻撃を受けたら終わりです。さらに燃料が尽きてもゲームオーバー。ベリハすぎんだろ。
ヨツメオニカジキの特性
ヨツメオニカジキの特性は以下の通り。
・グリューヴルムを追ってくる
・近接戦は積極的な攻撃を行わず、左右に揺れ動く
・直線速度はダイバーモード<ヨツメオニカジキ<ファイターモード、ただし近接時は左右に振れるためダイバーモード並みに移動しない
必勝パターンを使うと、ダメージを受けます
先に紹介したドッグファイトの通りやると、例えばヨツメオニカジキに追ってこさせて、
上昇反転→ダイバーモード変換→ゲットオン→上昇反転→接近追尾
とやれば行けそうに見えます。
が、これをすると十中八九ダメージを受けます。
理由は「近接時はヨツメオニカジキが左右に揺れるから」です。接近追尾を行うと、近づきすぎてカジキが左右に振れた分だけ自機が追い越して後方を取られ攻撃を受けるようなのです。
レーダーを見て近づきすぎないギリギリのラインで、速度もほぼゼロの状態なら接近追尾もできますが、かなり慣れが必要です。
なのでカジキ戦では極力「接近追尾」は避けたほうが無難です。
「右サイド」「左サイド」で近づいたほうがよいでしょう。
カジキは一定ダメージを与えると速度を上げてエリア外に逃亡します。マップを確認しながらカジキの水平距離がグリューヴルムと離れたなら、逃げ始めた合図ですので無駄に追って燃料を消費しないようにしましょう。
ドックファイト~烈光編~
後半に登場する大和国の烈光。グリューヴルムと同じファイターモードとダイバーモードに切替えられる機体です。
烈光の傾向と対策
ダイバーモードはグリューグルムのダイバーモードよりほんの少しスピードは遅め。ファイターモードはグリューヴルムのファイターモードよりほんの少し早め、という微妙にいやらしい性能を持ってます。
2機体で出撃し、母艦近くでウロウロするので、出撃後にダメージをくらいやすい環境ができてたりして厄介です。
基本的には、他の敵と同じ戦法で倒せます。烈光ダイバーモード時に後ろを取れれば、非常に簡単に倒せます。
対烈光のルシファードライブでの対策
が、烈光が連続で登場する7章では、通常モードではなくRDモード(ルシファードライブ)での戦闘があり、これが慣れてないとと少々厳しいです。実は、一定時間がすぎればRDは解除され通常モードに移りますので、それを待つのが一番簡単な攻略法です。
「ワイはRDで勝ちたいんやー」って人は、RD独自のドッグファイト技を駆使することになるでしょう。
ルシファードライブの技一覧
- 左反転
- 右反転
- 上昇反転
- エレベーター
- リーフアウト
- 左サイド
- 右サイド
- 接近追尾
- メテオスパイラル
- レイ・スパーク
- 左回避
- 右回避
- 減速回避
- コメットダンス
- シュートフォール
※太字は専用技
この中で、レイ・スパークが比較的使いやすいです。
銀の載る烈光が正面から来たら、レイスパークで横(左90℃)に移動できます。そして加速し敵機の横っ腹を捉えたら、左サイドで寄せて接近追尾からのファイアー、です。
この連続技は今後RDで戦闘する際に有効です。
ドックファイト~ガーランド編~
ラスボス手前に突如出てくる新戦闘機。ただ大して強くないです。
まず6機、続けて6機でてきます。基本的には正面から来るのでダイバーモードの基本戦法、「ゲットオン→上昇反転→接近追尾」で倒せます。
技ポイントを枯渇させると高速で逃げていきますので、4発あてたら接近追尾という流れでOKです。弾は使い切っても大丈夫。ラスボス戦では弾は自動で復活します。しかもヴィントミューレに弾の在庫がなくても復活します。
ドックファイト~フェニックス編~
教授とピエラが乗ったグリューヴルムの完成タイプ。フェニックスモードというRDと同様のモードを搭載してます。
特性として後方からの攻撃が無効という反則性能を持ってます。
ただし、こちらも慣れると簡単です。
フェニックスとの戦い方
最初に真正面から突っ込んできますので、レイスパークが届く範囲になったらレイスパーク。フェニックスの技ポイントが尽きるまで連発します。
技ポイントが尽きた後、接近追尾を何度かすると、場合によってはフェニックスがダイバーモードに変形します。
そうなったらしめたもの。
なぜかフェニックスモードのダイバーモードの時は、かなり接近すると後方からでもダメージが与えられます。
なので接近追尾を連発し、カーソル中央にターゲットが見えたらショットを続ければ簡単に倒せます。
ダイバーモードにならなかった場合は高速で逃げていきますので、まず追いかけられません。すぐに復活してまた真正面から突っ込んでくるので、再びレイスパークを連打でダイバーモードになる機会を待ちます。
それでもダイバーモードにならなかった場合、一定時間でお互いのRDが解けますので通常戦になります。通常戦は上の方に書いた基本戦法で全然戦えます。フェニックスが再びフェニックスモードになればこちらもRDモードに切替えて、上の方法で撃破しましょう。
フェニックス編は2回に分かれて行われますが、戦法はどちらも同じです。
フェニックスを倒すと、とてもとても切ないエンディングが流れてクリアになります。オープニングの続きになってるので、オープニングを一度見てからエンディングを見るとより感動します。
かつて虚空漂流ニルゲンツという神ゲームを出したマイクロキャビンは2008年、AQインタラクティブというあのWiiの呪怨を作った会社の子会社になったようですが、現在はフィールズの子会社になっているようです。ということは版権もNECビッグローブじゃなくフィールズに移ってるのかな。ほんと移植でも続編でも何でもいいからニルゲンツを復活させて欲しいと願うばかりです。