長かった・・・。ソフト化されないものだと思ってた・・・
待つこと10数年、ようやく「のんのんばあとオレ」がDVDになり手元に持つことができるようになった。
もう擦り切れたテープで再生する必要もなくなった。
DVD化まで本当に長かった。ゲゲゲの女房に感謝。
NHK、仕事遅すぎ!こんな名作をDVDはおろかVHSですら制作せずにほったらかすなんて有罪確定!!きっとゲゲゲの女房がヒットしなきゃDVD化されてなかっただろうなぁ。
危ない危ない。
この「のんのんばあとオレ」は「ゲゲゲの鬼太郎」の著者である水木しげるさんの幼少の頃のドラマ。
原作はコミックになってて、実はこのブログでも5年以上前に紹介してるw
ここにも書いてるけれど、最初は中学の頃に喫茶店で読んだ。でタイムリーにNHKでドラマが作られ。最初はビデオにも取らずに見たらめっちゃ面白い。それで再放送版で急いで録画した。録画したテープは擦り切れるくらい見てる。
ゲゲゲの鬼太郎がDVD-BOX化されていってるのを尻目に、何時までもDVD化がされず、もやもやしてただけに、突然あっさりとDVD化されてたのには本当に驚いた。知ってたら周りに言いふらしてたぞ、ゼッタイ。
水木しげるが妖怪好きになった理由は「のんのんばあ」だった。原作コミックを忠実にドラマ化。
このドラマは、原作にとっても忠実で、1期と2期があって綺麗に最後までまとまってる。
DVDも1期、2期(続のんのんばあとオレ)と2枚に分かれてて、まさかの次回最終回などのキャッチまでしっかり収録されてた。ほんと放送されたまんま入れたなw
幼少時代の水木しげる(ゲゲ)を固める配役も今見るとすごい。父親が岸部一徳、母がもたいまさこ、のんのんばあが山田昌、妖怪代表的な位置づけで出てくるあずきあらいの声が青野武。
個性派ぞろいですわ。
漫画版もいいけれど、やっぱりドラマ版はいい。
ひょうひょうとした父ちゃんが特に好き。
普段はだらだらとして、いざとなったときもだらだらとして(笑)。
でも、子供のゲゲにすっと諭すときには完璧なアドバイスを与える。
ええ父ちゃんや。
そんなどうしよーもない父をこてんぱんにいうわけでもなく、しっかりと支える母の雰囲気はまさにもたいまさこ節。
なんか、だいじょうぶやな、っていう気になる^^
そしてのんのんばあ。コミック版じゃ、もうちょっとおちゃめなところもあるけれど、ドラマ版は若干頼りない拝み屋。でもいつもゲゲの近くにいる一番の理解者という感じ。何かあったら真っ先の相談役がのんのんばあ。
妖怪もののように思える本作だけど、実際にはほっとんど妖怪は出てこない。どちらかというと諭し役。この作品に出てくる妖怪たちはずいぶんと説教臭い。
水木さんの描く妖怪ってそういうところ多いよね。古典文学の説法集のように妖怪が現れる。悪いことしちゃだめだよ、妖怪に連れてかれるよ、って。だから本当はこういう作品は子どもに見せるにはもってこいなんだよね。
人間の生死を見つめ直せる、子供にこそ見てほしい教育的なドラマ
一昔前は、この手の作品は結構あったのに今じゃ、とりあえず敵と戦いまくるみたいな作品に溢れかえってて。安心して子どもに見させられる作品って死滅してる。それに毒されてる親は多分何にも気づかずに普通に一緒に観てるんだろうけど。
人が生きていくこと、死んでいくこと、というのをこれほど肯定的に、すっと心に入るように見せられる作品はそうそうない。だから、惹かれて見ちゃうんだろうなぁ。
肺病でもう余命が殆ど残されていない少女に見せる極楽の絵を悩むゲゲに「お前の行ってみたい桃源郷を書いたらいい」なんてそんなユーモア普通出てこない。
「人を感動させるものはありのままの形だけじゃない。こうなったらいい、こうなってほしいという夢なんだ。」
名セリフ過ぎる。
1人でも多くの人に、この感動を味わって欲しい。
こっちが続編。パッケージで違いが分かりづらい。