TRPGコールオブクトゥルフ用のシナリオ集「七つの怪談」。週末のセッションで使わせてもらいました。このシナリオ集のテーマはズバリ怪談。
日本のじめっとした感じの空気を出せるシナリオが7つも入って2500円と破格の値段だったので思わず買ったもののプレイすることなく本棚にひっそりとあったわけです。今回、ようやく使う機会が出来たので使いましたよ。
シナリオ「牛の首」をプレイ
使ったのはラストのシナリオ「牛の首」。もうね、このタイトル見た瞬間、これしかない!とw牛の首ってのはネタとしては古くて、私が知ってる限り小松左京さんのショートショートで読んだことがあります。
牛の首の話はとてもシンプルで、小話みたいなものです。
『牛の首という怖い話がある。しかしこれを語ろうとする人はいない。誰かに話の内容を聞かれたものは必ずこう答える。「牛の首?あんな怖い話は聞いたことがない」と。』
まぁ要は、聞いたことがないから話せないわけで、実際は無いものをあたかも実体があるかのように話すという「マクガフィン」っていう技法です。ドラマの古畑任三郎で「頭に赤いバケツを載せた女の人」の話が事あるごとにでてきますが答えが無いままだったのも、このやり方ですね。某巨大掲示板だと「鮫島事件」が有名ですね。
そのネタをうまくシナリオに仕込んでたので、自分がプレイヤーでやりたくて仕方なかったです。残念ながらGMだったので・・・。GMはGMで面白いんですけどね。このシナリオ、その牛の首ネタ以外に話の頭からドハマリしたんですよね。
旅客機が墜落するところから話が始まるわけですよ。
で墜落した遺体の回収を自衛隊がしても生存者がゼロで、遺体の数も何故か少ない。
そんな、御巣鷹山の事故や小林泰三さんのαωって小説を彷彿とさせる冒頭からはじまりーの、天保年間に飛来したと思わる謎の隕石がでてきーの、隠れキリシタン伝説がでてきーのと、もうてんこ盛りなわけです。
GMからしたらたまったもんじゃないですよね^^;
収集つかんわwwと。
それもこれも「大量の情報に翻弄されるプレイ」こそがこのシナリオの醍醐味だから、しょうがないわけで。だからこそいろんなネタを出して(中にはガセも含めて)実体がわからなくなる、まさに牛の首状態な展開に自然となるんです。このシナリオ作った人、ほんと天才。
なんだかんだでプレイ時間は4時間ちょいくらいでした。絶対全滅か時間切れだろうなぁと思ってたけど、一人でガンガン攻めるプレイヤー(キャラ的にもねw)がいてくれたので、戦闘パートが案外さっくりできたのと、TRPG慣れしてるプレイヤーさんも入ってたのが時間内に終われた理由かなぁ。・・・ラストの展開は容赦なかったなぁw
今回はTRPG初心者さんもいたけれど、楽しんでもらえたようでよかったよかった。このシナリオはもうちょっと熟読して、いつでも出来るようにしとければいいなと思いました。「牛の首」以外のシナリオも日本的な雰囲気出してるので、多分使うと思う。
その他収録シナリオ
ひいてけの海
日本海に浮かぶ無人島を舞台にしたシナリオ。
孤島で怪物に襲われるというシンプルな感じ。
蛇の子の呪い
クトゥルフと帝国向けのシナリオ。
大正の東北の山村で起こる横溝正史調の物語。
人面瘡
現代日本の東京が舞台。
知り合いの父親が自殺、その事件の調査を依頼されるという展開。
夜ごとに来るもの
クトゥルフと帝国向けの戦前のシナリオ。
若い将校さんのところに夜な夜な美女が通ってくるというステキ展開。
泣きこけし
現代日本の架空の場所、栄村が舞台。
夏休みの課題で栄村に来た主人公たちが、その土地の風習が風化したことによって祟られる。
狐火、または青い音
現代日本の都会が舞台。
一人のサラリーマンが死んだ時に感じた「青い音」が日常にじわじわ侵食してくる話。