ヒトラーと聞いて観よう観ようと思いつつ、公開終了間際になってたので本日観て来ました。
結論から言うとものすごくしっかり作られてる映画だなぁと。
見ごたえばっちり。
今年映画館で見た映画で間違いなくベスト1。(10本くらいしか見てないけどね・・・)
「妖怪大戦争」や「ノロイ」なんかに時間を費やしてた自分をちょっぴり反省。
いや激しく反省・・・。
この映画、間違いなく1ヶ月後くらいに見たくなっちゃうよ。
しかも、DVDじゃこの戦争物の迫力は楽しめないし・・・。
やっぱスクリーンじゃないとなぁ。
劇場内は公開終了まで1週間ということもあり、落ち着いた雰囲気でゆったりとしてました。
タイトルからヒトラー中心で12日間を刻んで進むのかと思ってたんですが、全然そんなことはなく時間軸よりストーリーをメインに持ってきてくれてることに好感。
過去のフィルムを流さないことにも好感。
わざわざ過去の雰囲気を出す為にセット組んでるのに、歴史映像フィルム流されたらどうしようかと思ってたので。
おそらく日本映画じゃやっちゃうだろうな。きっと時刻表示もね。
ヒトラーの演技も素晴らしい。孤独な独裁者のイメージぴったり。
一挙手一動作がまさにイメージするヒトラーそっくり。
後年に薬の副作用で手がプルプルと震えているのも忠実に再現されてるし。
あるシーンで「戦場に市民はいない」というのがあったけど考えさせられる一言だ。
日本じゃ太平洋戦争後、一般市民の虐殺を罪としてB級戦犯やC級戦犯として逮捕されている。
(しかも旧軍隊である警察に。警察は軍隊の階級を元にしており、それは今も変わらない。戦場に行けって送り出した身内に逮捕されるんだからたまったもんじゃない。)
でも、その現地の人が竹やりや鉄砲持って襲ってきたりするわけで。
連合軍は現地人をスパイに使って情報を得たりしてるし。
だから「戦場に市民はいない」っていうのは誰もが自覚すべきことだと。
今、日本はイラクに自衛隊を派遣してるけど、戦闘地域、非戦闘地域そんなの関係ないよ。
戦争してる国は国土すべてが戦場だし、そこはいつ市民が軍人になってもおかしくない、まさに「戦場に市民はいない」状態なんだから。
一刻も早く撤退すべき。
そうでないと連合軍に加担している日本の国土が攻撃されても全然おかしくないんだから。
この作品、ヒトラーの自殺後も結構物語が続く。
独裁者不在になり指揮系統が混沌としている様子が良く伝わってくる。
もう一人の主役の秘書の女性がベルリンを逃げていったところで物語が終わった。
ほんとにお勧めの映画。
予備知識があればもっと楽しめると思う。
せめて登場人物が分かってるだけでもすんなり映画に入り込める。
水木しげるの「劇画ヒットラー」とか読んでるとすごく素直に映画が見れるかも。
ヒトラーの見せ方がそっくり。
あー、これホントもう一度観たいな。
※この作品の秘書官トラウドゥルってベルリン映画祭でこの作品が上映されるときに亡くなったんだよねぇ。そういやネットニュースでそんな話題があったなぁってパンフレット読んでて思い出した。
ヒトラー ~最期の12日間~
アドルフ・ヒトラーはユダヤ人だった!という仮説は大好きなのですが、それを想像させるシーンもあった・・・
それはエヴァとの質素な結婚式。「汝はアーリア人か?」と訊かれた瞬間のやりとりで、絶妙の間にゾクゾクしてしまった。実際にはその点を突くようなストーリーではありません。今まで観てきた映画、書籍、漫画の知識を総動員して注視したため、ヒトラーの断末魔に似た狂気と、壮絶な自決、そしてユダヤ人説を思い起してしまったためです。初めてヒトラーが登場する映画を観たのは、小学生のころ。映画のタイトルは忘れてしまったのですが、レジスタンス側から描いた内容だったと記憶しています。それ以降、ヒトラーが登場する映画は色々と観てきましたが、全て連合国側から描いたものだったので、この映画は衝撃的でした。
とにかく全編ドイツ語であることが新鮮だった(当たり前か)。ユダヤ人大量虐殺や戦争犯罪についても全く触れないことは賛否両論になるのかもしれないけど、秘書ユンゲからの視点で描いたものであり、ばっさりと切り捨てたことは、史実を周知のこととしているためでしょう。降伏という進言を全く受け入れずに毅然とした態度を取る人間ヒトラーを英雄視する人も若干生まれると考えられるけど、「国民を生かすことに意味はない」と断言するシーンもあることから、ナチ賛美や共感を与える目的で作られたのではないハズです。
医者が手足を切断する映像といい、生々しい自決のシーンといい、反戦を訴える映画には間違いないのですが、一瞬ではあるけど、「まるで被害者のように」と感じてしまった自分を反省いたします。こう感じてしまったら『火垂るの墓』を「まるで戦争被害者!」と言って非難することと変わりないですよね。淡々とした流れで、人間ヒトラーと周囲の将校、官僚が中心となってしまったことには問題あるかもしれないけれど、ラストのユンゲ自身の独白によりモヤモヤした疑問は一掃されました。とにかく、昔は天使を演じたガンツのヒトラーをはじめ、狂気としか思えないゲッベルス夫人の演技によって、崩壊する帝国と人間性が重くのしかかり、現代社会への警鐘をも感じました。しっかりと目を見開いて為政者の行動を注意しなければ!と、今朝の新聞はテレビ欄しか見ていない者が言うべき台詞ではないな・・・
★★★★★
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ヒトラー ~最後の12日間~
ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション
ゴウ先生ランキング: A-
早稲田松竹
2006年1月25日(水)9:30からの回
公式サイト: http://www.hitler-movie.jp/index2.html
「ヒトラー ~最期の12日間~」
05年公開作で見逃しちゃってた作品。
なかなか評価が高いみたい・・・でも、
ひらりん、戦争モノにがてなんだよなーーーー・・・
といいつつ、最近結構戦争がらみの映画見ちゃってるけど・・・。
『ヒトラー 最期の12日間』’04・独・伊
ヒトラー~最期の12日間~あらすじ1945年4月20日。ソ連軍の砲火が押し寄せるベルリン。ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)とその側近たちは総統官邸の地下要塞に避難していた。もはや敗戦を疑う者はいなかったが、正常な判断力を失ったヒトラーはわずかに残った軍勢に戦…
映画『ヒトラー ??最期の12日間??』
原題:Der Untergang
1945年5月7日、第3帝国は終焉を迎える。ドイツ・ナチス総統ヒトラーが4月20日に地下要塞に籠もり自殺するまでの最後の12日間の悲劇の物語・・
この映画、歴史家ヨアヒム・フェストの「ダウンフォール」と、ヒトラーの秘書トラウドゥル・