映画「母なる証明」のレビューです。
「殺人の追憶」「グエムル」など私の大好きなポンジュノ作品。
初日に観にいってきました。
非常にすばらしい作品でした。
ドキュメンタリータッチで見せる「殺人の追憶」とシュールかつコメディ色を持った「グエムル」をちょうど合わせたような、危ういバランスが最高の作品です。
日本映画じゃまずできないアジア映画ならではのストーリーという感じがしました。
やや知能に問題のある一人息子のトジュン(ウォンビン)と母のヘジャ(キム・ヘジャ)。
ある日、街で殺人事件が起こり、息子のトジュンが第一容疑者として連れて行かれる。信じられない母親は、捕まえた刑事を待ち構えて詰め寄るが、事件は終わったことだと告げられる。
弁護士を頼んでも精神病院4年で我慢しろとの発言に、母のヘジャは1人真犯人を探すために奔走する。
冒頭のクレジットで、いきなり草原の中、母親が「不思議な踊り」を踊り始めたのにはやられました(^^
思わず笑ってしまいました。
この作品、メディアの見せ方が「息子を思う母親の愛情」というきれいごとで宣伝をかけていますが。
観た後は「違う気がする」と感じることでしょう。
もちろん、息子の無実を信じて疑わない母親、ではあるのですが。
トジュンが知的に問題があることをうまく利用したストーリーですね。
トジュンの思い出しによってストーリーが動いていきます。
それがまさかの記憶を呼び起こすとは。
衝撃でした。
結局、この事件の真犯人は誰だったのでしょうか?
トジュンはラストで、なぜ女子高生が屋上で放置されたのかを考えています。
案外頭が悪いわけでは無い気がします。
彼は「怪我をしていたので早く見つけて欲しかったからだろう」と結論付けています。
爺さんはトジュンが石を投げ返して殺した後に屋上につれて言ったのを目撃したといっています。
女子高生の交際相手の1人だった男が最後に逮捕され、衣服の血痕から女子高生を殺したと判断されています。ただ、作中で彼が自ら殺したと発言した箇所は無かったと思います。
観客はトジュンの目で追って女子高生の最後と思われるシーンを目撃していますが、あのシーンが事実だったのかどうかは分からないわけで。
そうなると、いったい真相はどこにあるのでしょうね。
まさに「藪の中」。
石を投げ返した姿を本当に爺さんが目撃していれば、まだトジュンが思い出せていないだけ。
ヘジャはおそらくそう思っているのでしょう。
爺さんが嘘をついているのであれば、犯人は爺さん?
どちらも間違っていないとすると、倒れた女子高生を見た自称恋人が、早く見つけて助けて欲しいように屋上に連れて行ってる姿を爺さんが目撃したのかもしれませんね。
考察すると非常に面白いです。
物語の終盤、警察が真犯人として捕まえた犯人に、ヘジャは「あなたには母親がいるの?」との問いかけの後に号泣します。
あれは自分が犯人と同じ立場になってしまったことに対する悔恨の涙、だったのでしょうか・・・
「お母さん・・・」と言って、必死で血をぬぐうシーンは鮮明に頭に焼きついています。
最後に記憶を封じる鍼を打って踊るヘジャ。
冒頭の草原の中で踊る姿は、この時の映し鏡なのかもしれません。
シュールさの中に隠れるメッセージ性、謎解き。
この作品は、面白い。
【母なる証明】誰にだって人は殺せる
母なる証明~MOTHER~
監督: ポン・ジュノ
出演: キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、チョン・ミソン
公開: 2009…
母なる証明・・・・・評価額1750円
凄みのある映画だ。
デビュー以来、一作ごとに全く異なったジャンルの作品に挑み続けている、ポン・ジュノ監督の長編第四作はナント「母物」…
母なる証明
<<ストーリー>>早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らすヘジャ(キム・ヘジャ)。そんなある日、街で殺人事件が起こり、もの静かなトジュンが第一容疑者に。事件の解決を急ぐ警察がトジュンを犯人と決めつけ、無能な弁護人も頼りにならない
母なる証明
『殺人の追憶』や『グエムル』のポン・ジュノ監督が殺人事件の容疑者に された息子の無実を証明するために真犯人探しに奔走する母親の姿を描いた サスペンスミステリー。漢方薬店で働く母親は知的障害のある息子・トジュンと二人暮らし。 母親にとってはトジュンの存在が全..
「母なる証明/マザー」家族を守るというなら、ここまでやるのだ。
「母なる証明/マザー」★★★☆
キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、チョン・ミソン出演
ポン・ジュノ監督、129分、2009年、韓国
→ ★映画のブログ★
どんなブログが人気なのか知りたい←
ウォンビンが退役後初めての出演作として韓国でも話題に、
200万人動員最短記録達成。
「知恵遅れの息子(ウォンビン)は
常に母(キム・ヘジャ)に見守られながら
気ままな毎日を過ごしていたが、
女子高生殺害容疑で逮捕されてしまう。
そして母は息子を助けるため奔走する」
冒頭の草原で急に踊りだすオバハン(キム・ヘジャ)、
しかも次第に大胆になっていく踊りに
見ているこちらは「何だ、何だ」と
全く理解できない、そして説明もないまま
映画が始まる、面白そうな予感で見入る。
とことんやるならやる、という感じの韓国映画、
息子が逮捕され、誰も母の言うことを聞き入れないとなると
母親は狂気をはらんだ行動に出る、これが応援したいのか、もうやめろよと
言うべきなのか、こんなことで核心に触れることは
出来るのかと思いながらも、
誰が真犯人なんだろう?と。
ソウルが舞台の映画が多いから
こんな小さな町で起こった殺人事件、
人々の目、それでも息子を信じる母親、
濃密な空気が伝わる、
ウォンビンというスターがオーラを消し去り、
冒頭では変なおばさんと思った母親が
ただ一人の肉親を信じて信じて
その先に何を見たのか、
さすが韓国映画、ただじゃあ終わらない。
ラストがちょっと弱いかなと感じたが
このところ見ごたえがある
韓国映画に出会っていて嬉しい。
冒頭の奇妙なダンスも映画を見て
彼女が草原に立つまでを見れば納得。
★100点満点で70点★
soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン
ウォンビンは「ブラザー・フッド」でもヒットを出しているが、今回も主役は母親、
そろそろ主役で良い役をひとつ演じたいところだ。
★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか
先日は私のブログにコメントをありがとうございました
(*^_^*)
なかなか観にいけずです・・・
一人でゆっくり観てみようと思います♪
映画「母なる証明」
監督:ポン・ジュノ(天才ですね。最近、虜になってしまいました)
出演:キム・ヘジャ(韓国の母と呼ばれているらしい)ウォンビン(美男子過ぎてビビる)
出演:チン・グ(ボンクラ役最高に良かったです)ユン・ジェムン チョン・ミソン
静かな街で起こった凄惨な殺
母なる証明 / 84点 / MOTHER
魅力無く共感も出来ないオバハンの映画に、何故にこんなにも心震えるのか?
『 母なる証明 / 84点 / MOTHER 』 2009年 韓国 129分
監督 : ポン・ジュノ
脚本 : ポン・ジュノ、パク・ウンギョ
出演 : キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジ
『母なる証明』'09・韓
あらすじ早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュンと静かに暮らすヘジャ。そんなある日、街で殺人事件が起こりトジュンが容疑者に・・・。感想アジアンフィルムアワード最優秀作…
【映画】母なる証明
<母なる証明 を観ました>
原題:Mother
製作:2009年韓国
ランキング参加中
「グエムル」の監督、ポン・ジュノが手がけるサスペンス。
韓国の国民的人気女優のキム・ヘジャとウォンビンが親子を演じることでも話題となった作品。
ある女子高生が殺害された。その容疑に、貧しく暮らす母子家庭の息子が警察に犯人として拘束されてしまう。息子の無実を信じる母親は、たった一人で事件の真相の探り出すのだが…
予告を見た限りだと、サスペンスとは感じにくく、ちょっと暗い雰囲気の映画だなぁという印象を持ったんですが、評価がとても良いので気になってました。
一人息子を溺愛する母親。貧しくも慎ましく生活していた二人だが、実は悲しい過去があった…。
その過去ゆえ、母親は息子をこれ以上となく愛する。
そんなある日、町の女子高生が死体となって発見される。
警察は目撃情報などから、息子を犯人と決め逮捕してしまう。息子が殺したと思えない母親は、息子の友達や殺された女子高生の身の回りを調べ、事件の背景に何があったかを調べていくのだ。
母強し!
実は脳に障害がある息子。事件当日の事を聞いても、はっきりとは思い出すことが出来ない。
それがネックで、無実を証明できないのだが、それなら自分で犯人を見つけるわと母親。子供のためなら何でもします。お金ないけど、お金を使い、息子の友達すら疑います。
そして、女子高生の身の回りを調べていくと、意外な事実が…。
そして、母の見た真実とは…。
冒頭で、母親が草原で一人踊るシーンがあるのですが、不自然さを感じるもどこか美しさがあります。
そして終盤にかけての衝撃と、母と息子の交わす言葉。
言葉はシンプルでも、その表情と仕草。親子って、すごいなぁと…。
すっきりとした余韻とは真逆になってしまうかもしれませんが、なんかすごい映画を観てしまったなと思いました。
「グエムル」早くみたいなああ。韓国映画はあまり観ないけど、この監督今後も注目ですね。
気に入ってくれたらポチっと押してください★励みになります!
…
『母なる証明』 天才の仕事
原題は『MOTHER』。
『母なる証明』という邦題は、多分にミスリーディングである。
「ヒューマン・ミステリー」とか「永遠に失われることのない母と子の絆。」なんて惹句を目にすると、あたかも涙々…
母なる証明
人のもつ闇を、ここまであぶり出されたら、ぐうの音も出ない。