この間、月と蟹を読んだらまた読みたくなって読み返しました。そういうことって、あるよねww
本作はジャンル的にはサスペンスホラーに分類されるとおもわれる小説です。小学生の男の子が探偵的役割で事件を捜査するってお話です。
小学生が探偵?コナンくんかな?いやいや、そんな可愛いもんじゃない(笑)
ストーリーはこんな感じ。小学4年生の僕は、学校の先生に頼まれて欠席しているS君の家に届け物をする。そこでS君は首を吊って死んでいた。その後、先生にそのことを告げて家に帰るも、家に来た警察の人も先生も死体はなかったという。1週間後、S君は蜘蛛になってぼくの前に現れる。蜘蛛になったS君と僕、そして妹のミカは事件の真相を突き止めていく。
・・・ま、わけわからないですよね。なんだよ、蜘蛛になったS君って。
それ以前に、この話を読み始めた時にめちゃめちゃ違和感があったのが妹のミカ。3歳がこんなに賢いかよw流暢にしゃべるかよwその時点で、この話が単純なミステリーなどとは思わないですよ。
最初読んだ時は「ミカが僕の中のもう一つの人格である」という可能性、または「ミカは幽霊のような僕にしか見えない存在」である可能性。全く別の角度から「この話自体が夢の中である」という可能性を疑いました。他の人からミカの存在が見えているので夢の中なのかな?と思ってましたが・・・結果的に2と3の派生でした。ミカの年齢設定が7歳とかだったら、もう少し純粋に作品を楽しめるのにな、と思います。Sくんの首吊りより気になって仕方なかった。
小林泰三さんの密室・殺人っていう作品があって、それ読んだ時も途中からあぁこれ2重人格だな、と思いながら読んでましたが、あの小説は結局最後まで回答を出してくれませんでした。本作はちゃんと答え合わせがラストにあるのがいいです。どちらにしろ、作品自体は後味が良くないタイプの物ではありますが。きっと初期の戯言書いてたころの西尾維新さんが好きな人ならハマるんじゃないかなとおもいます。ミステリ慣れしてる人には物足りないかもしれませんが、あっさり読めるので休日にフラッと読むのにいいなと思います。