都留泰作さんのムシユヌンの最新刊が発売されてたので早速買って読みました。この作品、私が今まで読んだマンガの中でも飛び抜けて狂った作品です。説明しようとしてもうまく説明できそうにもないのですが、それは1巻の帯にあの崇拝する諸星大二郎大先生が書かれた言葉が全てを表しているかのようです。
帯のコピーに書かれているのはこんな文章。
あの諸星大二郎さんですら狂気に感じるストーリー
これは何だろう?
ギャグにしては怖すぎる。
ホラーにしては変すぎる。
とにかく気になる!?
――諸星大二郎
まさに^^;
とりあえず頑張ってストーリーを説明します。
子供の頃から虫が好きで、大学も昆虫学を専攻していた主人公。入りたい大学院を5回落ち、仕送りも止められ、下宿先も追い出された果てに、昔住んでいた沖縄の与那瀬島というところに戻ることに。
母親の元に向かいますが、いい大人になって院にも行けず働こうとしないでノコノコ戻ってきた息子に愛想を尽かして追い返されてしまいます。
その時、偶然初恋の相手であるかなこに出会います。が、すでに結婚している事実を知ってしまい、絶望して突発的に自殺を試みるものも、そんな度胸もなく死ねなかった主人公。その時、突如空で大流星群が降り始め、謎の大爆発が起き、その一部が主人公に直撃。なぜか主人公は虫(宇宙生物?)と同化します。
虫と同化した主人公は異常な性欲にみまわれ、女性を見ると犯したい衝動にかられるようになってしまいます。
と、だいたいこんな感じです。
何いってんだ?と思われたあなた、正常です。
2巻では、アメリカが与那瀬島に異星人が舞い降りたと推測し原爆を大量投下するという無茶をやらかしてくれます。結局、なぜか島は謎のバリアで無傷なんですが、特に理由は出てきません。昆虫型の異星人が島を覆うようなシーンが挟まれているくらいです。
で、主人公は相変わらず、何も出来ないダメ人間のままでいいところゼロのままです。どうしようもないクズの主人公っていう作品はたまにありますけど、この作品の主人公は人間的にクズというのとはちょっと違ってて、本気で使いものにならないクズなんですよね。読んでて、こりゃダメだな、と思わずにいられないような。そんな奴が犯すぞ犯すぞとかぶつぶつ呟きながら島を徘徊してるんですよ。(肝心の場面でも根性なしだから結局犯せないんですけどね)
ギャグにしては怖すぎる。ホラーにしては変すぎる。
まさにその通り。でもなんか気になるんで思わず買って続きを読んじゃうんですよね。
こんな本、久しぶりです。