サスペンス

【映画】悪の教典 感想

貴志祐介さん原作の「悪の教典」の映画を観てきました。
いい意味でも悪い意味でも「ひどい映画だった」と言うのが第一印象です。

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※配信調査 2018-12-02


原作はサイコホラー、映画は監督が三池崇史なのがホラー

悪の教典は「学校で教師・生徒ともに絶大な信頼を得ている1教師が、実は人を殺すことをなんとも思わないサイコパス(反社会性人格障害)で、あるきっかけで大量殺人を始める」というのが簡単なあらすじです。

原作も映画も、この大筋は通っていますし、全体的な雰囲気は概ね同じでした。
ただ、映画を見た後で、おそらく思いっきり賛否両論になるんじゃないかな、と。
理由は「サイコパスが大量殺人を犯していく」というストーリーの映画に、あまり邦画では取られない「コミカルな演出」を行なっているということです。

海外のB級ホラーだと全然普通なことで、大まじめに全体的にホラーをやってる作品と半々くらいかもしれません。
ホラー映画だろうが人が殺されるシーンを笑いながら楽しめる、そんな土壌が最初からあれば良いのですが、いかんせん「悪の教典」にはしっかり原作があって、その原作はコミカルなものじゃありません。

また貴志祐介作品全体を通して、そういった作風はなく、今年放送された「鍵のかかった部屋」や「新世界より」をはじめ過去の公開作品を含めて、そういうのはないんですよね。

どうしてこうなったか?
これは間違いなく監督が「ヤッターマン」や「ゼブラーマン」を撮った「三池崇史」だから、でしょう(笑)
これを原作信者がどう思うかは、個人的にはとても楽しみです。
私自身はガチホラーも好きだし、こういうバカっぽいB級も嫌いじゃないので、これはこれでありかな、と思ってはいます。

一番の不幸があるとすれば、原作を見ずに映画を観に行き面白いと感じて原作を読んだ人がいたとしたら、果たしてどういう感想をもつのか、でしょう。

ここから先はおもいっきりネタバレになります。
映画を観に行く予定なら絶対に読まないほうが楽しめます。

キーパーソンたちが三池崇史の手によってキメラ化。必殺技は「パンツソムリエ」

個人的な不満点は大きく2つ。

1つは「ファンタスティック4は削ってほしくなかった」。
尺の都合があるのはわかりますが、いくらなんでも柴原と園田を合体させるのはありえません。
生徒の弱みを握ってセクハラする柴原と、サムライのような他人を律し自分をそれ以上に律する武闘派の園田をくっつけ、更に不良生徒の中心人物でスプラッターシーンでは重要な位置にある蓼沼の役回りまでやらせるなんて、正気の沙汰ではないですよ。
蓼沼は途中であっけなく殺されちゃったので、ラストどうなるんだろと思ったら、まさかの柴原ですからね。
殺され方は面白かったけどw
いくら変態の柴原でもパンツソムリエのスキルまで持ってしまうなんてw
でもやっぱり園田と蓮実の対決っていうのは、悪の教典の中ではかなり屈指のシーンだと思うんですよね。
それが削られたのが大きなマイナスだと感じました。

もう1つが「美彌を屋上から落とすシーン」。
ここは、悪の教典の中でとても大事だと思うんですよ。
心がないと思われているサイコパスの中に、一瞬無意識の葛藤が発生するシーンですから。
ただ前フリがないから、削らざるを得なかったんだろうとは思います。が、それなら他に削ってもいいところあっただろうと。
あのアーチェリーの中途半端な恋愛シーンなんて全く要らないだろうに。原作でも存在しない変なオリジナルを映画に入れるなんて、穿った見方をすればその役者を押したかったんじゃないの?と思われても仕方ありません。
この2点を除けばGreatだったと思います。
Excellentにはならないな。。

私的に学年一の美少女と言われてた柏原を一体誰がやるんだろうと思ってましたが、秋月成美という女優さんがやってました。
調べたら都市伝説の女にでてる……全部見たんだけどなぁ。気付かなかった。

ハスミン役の伊藤英明さんは何か普通の教師って感じでした。一見イケメンで裏でなにかやってるんじゃないか的な雰囲気はあまりなかったですね。京本政樹さんとか北村一輝さんとかがハスミンやれば全然違う映画になってた気がします。

あとツリーこと、釣井先生はイメージとしては美味しんぼの富井(前歯が出てるダメ上司)を悪くした感じだったんですが、配役がまさかの吹越満さんでした。
吹越さんの一人芝居の舞台はDVDになってるのでお笑いが好きな人にはお勧めです。面白いですよ。

毎回、映画化されるとちょい役で出演する貴志祐介さんですが、今回は冒頭、職員会議に出ていました。
10秒くらいあるし台詞もあるので顔知ってれば一発でわかります。

濡れ場全カット!なのにゲイの絡みには追加シーンが…

そういえばこの映画、R15指定なんですよね。
残虐シーンがあるので仕方ないでしょうが、エロシーンは圧倒的に少なくなってましたね。
京都への修学旅行はまるまる無くなったので、美彌との濃厚な絡みもないし(そもそもマンション内での授業もありませんw)、保健教諭は蓮実とも圭介とも絡まない。
なんとも残念。

にも関わらず、ゲイ術家の久米教諭と前島のシーンは映画オリジナルシーンとして追加。
明らかに前島のものをしゃぶってる音が聞こえるという……ほんとラストのマッドワールドのようなシーンといい悪ふざけのひどい映画です(笑)

さすがに2回目は観に行く気はしないですね。

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makapy
ゲームと本と映画が好き。日常の生活で買ったり使ったものを紹介しています。

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